セロリズッペンとは?

セロリズッペン。野菜本来の味のやさしさを食卓に。

この耳慣れない「セロリズッペン」というネーミング。セロリは「セロリ」、じゃあズッペンは? 正解はドイツ語で「スープ」を意味する言葉。要するに、セロリを使った、スープの素だ。この「セロリズッペン」には、セロリをはじめとした、7種の乾燥野菜がブレンドされている。乾燥野菜を使ったスープの素と聞くと、お湯を注いで作るフリーズドライのインスタントスープを思い浮かべるかもしれないが、この「セロリズッペン」は、ゆっくり料理を楽しむ人にこそ使って欲しい。コトコト、コトコト、じっくり煮込むことで野菜本来のやさしい味が料理に宿ってくる。インスタントならぬ、とびきりスローなフードなのだ。

セロリをベースに7種の野菜をブレンドした料理の素

「セロリズッペン」が作られているのは、福岡県の瀬高町。現在でも、日本で三指に入るセロリの一大生産地だ。平均年齢42歳という、若い世代のセロリファーマーたちが手塩にかけて育てたセロリは、市場でも評価が高く、直売所ではすぐに売り切れてしまうほどの人気ぶり。そんなセロリも、収穫や出荷の際にキャベツなどの野菜と同じく、野菜の大きさをそろえるためや、少し見た目が悪いなどの理由で外側の茎はおとしてしまう。それらは「かき葉」と呼ばれているが、もちろん味や品質に何ら問題はない。むしろ、あの独特の香りが強いことから、セロリ好きは外側の茎じゃないと物足りない、というくらい美味しい部位なのだ。けれども、これまでは「かき葉」の部分は使い道がなく、農家の人たちが自家消費するか、泣く泣く捨てられてしまっていた。でも、それではもったいない。どうにかこの美味しい「かき葉」にも陽の光を当ててあげたい、という声が高まってきて、ついにセロリを使った新しい商品を考える研究会が立ち上がった。

ぎゅっと詰め込んだ7種の野菜。

研究会で何度も集まりセロリを使った商品のアイデアを出し合うなか、運命的な出会いがあった。瀬高町出身の料理研究家・濱地佳世子さんがドイツ土産として「ズッペンゲミューゼ(スープ用野菜)」を買ってきたのだ。ドイツでは煮込み料理やスープを作るとき、数種の乾燥野菜を一緒に煮込む。育ちの違ういろんな野菜たちが、一つの鍋の中で個性を主張しながら、また引き立て合いながらやさしいハーモニーを奏でている。シンプルだけれども、胃袋のすみずみまで染み渡るような滋味深い味わいがそのスープにはあった。
こんな美味しいスープの素を、瀬高町で採れる野菜で作りたい。特産物のセロリをはじめ、紫玉ねぎ、玉ねぎ、ニンジンを使おう。あとは…日本人に馴染みの深いダシといえばきのこ。幸い、隣の大木町はきのこの産地。その大木町で採れたエリンギ、しめじ、エノキの3種を加え、合計7種類の乾燥野菜をブレンドすることで決まった。だが、この7種を適当な割合でブレンドしても美味しくない。何度も試行錯誤し、配合を文字通り煮詰めていくなかで、ようやくこれがベストという黄金比率にたどり着いた。

どんな料理にも使える隠し味のプロフェッショナル

野菜は乾燥することで重さが1/10程度になる。つまり、この小さな袋の中には10倍の量の野菜がたっぷり詰まっているのだ。しかも、20時間をかけてゆっくり乾燥させているので、栄養素も生の状態とほとんど変わらない。味にいたっては、生の状態より甘みが凝縮されて、時間をかけるほどに甘みが出てくる。とくに、主役のセロリは収穫時が一番香りと甘みが強いため、それを逃がさないようにその日のうちにカットし、加工するように心掛けている。

お好みに合わせた3種のブレンド

「セロリズッペン」はセロリをベースにブレンドを調整したものがそろう。「胃腸にやさしいセロリたっぷり」と、「香り豊かなキノコたっぷり」、「元気回復タマネギたっぷり」の3種類だ。先ほどから、「セロリズッペン」はスープの素と、何度も言っているが、もちろんその用途はスープだけに限らず幅広い。カレーやシチューなどの煮込み料理から、ミートソースなどのソース作り。炊き込みご飯のかやくにだって使える。料理の主役を引き立てる脇役として、野菜がちょっと足らないかなというときの栄養面での助っ人として大車輪の活躍をしてくれる。面倒なレシピは一切不要。美味しく作るコツは、ただ一つ。じっくりコトコト煮込むこと。強烈なインパクトはないけれど、じわじわと野菜の旨味がやってきて、ごちそうさまの頃には、なんだか幸せな気持ちになっている。森さんが最初のころから言っていた「子どもたちに本物の料理を食べさせたい」。「本物の料理」って、きっと食べたあとに幸せな気持ちになる料理だろう。